今月のカレンダーの絵を二ヶ月おきにご紹介します。
今月と来月の絵はこちら。安房直子さんの物語「よもぎが原の風」からイメージしました。
行方不明になった子ども達を探すお母さんたちの心持ちが伝わります。
安房直子さんの物語世界は本当に素晴らしく、読んだ後に残る余韻がなんとも言えません。少しだけ文章を引用します↓
”なぜって、それは、うさぎだったからです。
二ひきのうさぎが、緑のスカーフを首に巻いて、立っていたのですから。
二ひきのうさぎは、輪にした緑のなわの中に、まるで電車ごっこの運転手と車掌みたいに入りこんで歩いてきたところです。そして、四人の子どもたちをちらりと見ると、歌をやめにして、
「みなさん、どちらへ?」
と、たずねました。みんな、どぎまぎして、何もいえませんでしたが、美代子が、やっとかたくなって答えました。
「よもぎが原に、よもぎをとりに行くところです」
すると、うしろのうさぎが、
「そんなら、ぼくたちとおんなじだ」
と、いいました。そして、
「電車にのりませんか」
と、すすめるのです。電車のなわは、草のつるで、じょうずに編まれていました。ところどころに、れんげの花が編みこまれていました。”
(安房直子作「よもぎが原の風」:福音館文庫「山の童話・風のローラースケート」から)
…この絵を描くために、近所のよもぎを採集しました。でも、よもぎって形がたくさんあって、取る場所で全然形が違うんです。新しい発見でした。よもぎらしく描けたか心配です。色もよもぎ色がうまく出たかしら。
安房直子さん、葉っぱの裏側のもふもふで、うさぎを連想するなんて常人では思いつかないな。
子どもを持つ母親にとって、子どもが帰ってこない心配は本当にただ事ではないです。子どもたちは無事帰って来れたでしょうか。ぜひ読んでみてください。
今日はこどもの日。こども達の健康と安全を祈ります。
毎年恒例の工房暖簾さん主催「手ぬぐいコレクション展」に
今年も手ぬぐいを出品します。今年の手ぬぐいは以前、小物を作るためにデザインしたものです。手ぬぐいにすることでひとつの絵柄として復活しました。
ピンク・グレー・ブルーの3色です。
(昨年までの旧作も同時販売です)
今年も香川県の手ぬぐい工房ポスター堂さんにお願いしました。手捺染手ぬぐいの職人さん、もう何年もお世話になってます。今回もとても綺麗に作ってくださいました。感謝です〜✨
タイトル「野の花あそび」
野の花と生きものや子どもたちを模様にしました。何がいるか探してみてくださいね。ちょっと長めの96cmです。一枚1500円(税込)予定。
■会期2023年6月30日(金)~9月10日(日)
■販売方法
(1)ネット通販
工房暖簾Galleryの特設ギャラリーにて上記期間にわたり販売
※ネット通販スタートは7/10(月)夜9時
(2)イベント販売 関内駅チカアート市
6/30~7/2(金土日)
7/8(土)
8/3~6(木金土日)
9/1~3(金土日)
合計11日間開催のイベント販売(工房暖簾ブースにて)
3)特別展示販売
工房暖簾Gallery手ぬぐいコレクションin江ノ島
会期:2023年8月11日(金)~16日(水)
時間:10時~18時
会場:江ノ島 Gallery-T
※モノレールおよび江ノ電「江ノ島駅」から徒歩3分ほどの1階路面店
※江ノ島海岸へ抜けるメイン通路に面しています。
※観光に訪れるお客様が多いです。今年は海外からの旅行者も増えるでしょう。
今年もネット通販とイベント会場での販売です。毎年楽しみにされている方も多いと思います。全国の作家さんの手ぬぐい作品が一同に集まる工房暖簾ギャラリーの手ぬぐいコレクション展、どうぞお楽しみに。
安房直子著「銀のくじゃく」から機織りの若者と四人の「四枚のはなびらお姫さま」です。
この物語を読んだとき浮かんだのがジャワ更紗のイメージです。花柄や模様をヒントにしました。
舞台の「遠い南の島」って東南アジア方面?いやいやそんな具体的な場所じゃなくって夢の中のような美しい物語です。
モチーフが多くてえらく時間がかかってしまった。やっと先週出来上がりましたこれから印刷をお願いしてポストカードにしてもらいます。
まだもう一点描くので、出来上がりはまだ先に。そしてプラネットハンドさんで秋に開催される「秋の市:安房直子作品から」にポストカード出品します。
そしてそして、安房直子さんテーマの新作絵が六枚集まったらまたカレンダーを作っていただこうと考えています。
今日、いつも印刷をお願いしている(株)I.F.Nさんに送り出しします。
こちらでは毎年カレンダーの作成とポストカードの印刷をお願いしています。(株)I.F.Nさんは「詩とメルヘン」、「詩とファンタジー」ゆかりの作家さんたちの作品を主に扱っていらっしゃいます。カレンダーの販売も通年されていますので、ご興味ある方は是非。
(略)すると、四人の娘たちは、うなずいて、まるで、なぞなぞの答えをあかすように、
声をそろえてうたいました。
「四枚のはなびらお姫さま」と。
(略)
〜安房直子著:「銀のくじゃく」偕成社から〜