2年前、東京で開催した個展のお知らせをFacebookに投稿したときですが、当時、装丁デザイナーの鈴木衛様からこのようなコメントをいただきました。今日「思い出」としてFacebookに上がってきて、とてもありがたく嬉しかったことを思い出しました。Facebookは記事が流れていってしまうので、自分の備忘録とこちらを見にきてくださっている方にお見せしたくて、いただいたコメントをこちらに転載させていただきました。鈴木様、その節は本当にありがとうございました。
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白土あやこさんの作品について私はデザインのフィールドにいるので、見るモノはすべて素材にできないかという、あさましい気持があります。私に来る仕事はみな重いテーマと人の不可思議なこころのありようから産まれるモノばかりです。いやな気持は一切なく、自分思い切り飛び込めるものが多いから不満は一切ありません。そんな自分には、白土さんの作品をあしらう仕事は恐らくそうはないのじゃないかと思います。。。。が、いつかこういう作品で何かできたらいいなと思います。芸術作品というものは、テーマとして、人の苦しさや生き様の不思議、そこから浮き出してくる「こう生きたらいいんじゃない」とか「わかるよ。その苦しみ」というものが多いように思いますが、そればっかじゃ面白くないな。というのがあって、白土さんの作品に出会った時に「何でもない幸せ」「別にどこでもあること」のような(白土さん、ごめんなさい。軽く見てるわけじゃないから)当たり前のことに感じる「何か」がとても響いちゃったのです。そう、彼女の作品にはもうみんな既に知ってる当たり前のうれしさ、気持ちよさがあると思います。私たちが(特に私が)、ごく普段に出会ったり起こったりする日常がとても豊かで、美しいモノだと思わせてくる作品です。
是非、足を運んでください。美味しい珈琲もにこやかな人達もいます。
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2019年3月ギャラリークオバディスにて開催「ののはなのはら」展