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2023-08-17

新作

安房直子作「緑のスキップ」からイメージしました。
(最初のページから一部抜き出します)
みみずくは、大きな目玉を、ぴかぴかさせて、桜の木のてっぺんにとまっていました。
遠い山には、ほそい三日月がかかっています。南風が、ごうごうとうたいながら、その三日月を、ふきとばそうとしていました。そのたびに、みみずくは、
「そっと吹け、そっと吹け。」と、いうのです。
みみずくは番兵でした。
花ざかりの桜林に、あやしい者がはいりこまないように、毎夜毎夜、見はりをしているのでした。もしも、だれかがしのびこんで、林の中を、ちょっとでものぞきこもうとしたら、すぐにとびかかるつもりでした。そのために、つめも、くちばしも、よくみがいていました。
それほど、桜の花は、美しかったのです。・・・・・・

毎年、美しい花を咲かせる桜は短期間で散ってしまいます。美しい桜、できるだけ長くずっと残って欲しいと思う方も多いでしょう。
みみずくの番兵は、桜の妖精、花かげちゃんを守ろうと必死で林の番をします。「花の季節がけっして終わらないように」誰も林の中に入れさせません。けど、やっぱりねむい。うっかり寝てしまって変な足音のする何者かをとうとう入れてしまいました。そこで、寝てはならぬと夜も昼も見張りを続けます。
そして苦いコーヒーを差し入れして応援するきつねの奥さん。このきつねの奥さんはなんだか現実味があって、物語のアクセントに効いているように思います。こういう人、身近にいそう。多分、すべてを知っているけど、何も言わず応援する人ですね。
桜の花が散ると、次は緑いっぱいの季節。季節の移り変わりを物語にされる手腕は、さすがだと感じました。

タイトルは「緑のスキップ」だけど
緑色は使いませんでした。緑の葉っぱを描き入れようかなと思いましたが、二人にとって緑は来て欲しくないもの。
全体を桜っぽい色でまとめようとしましたが、全体的にぼんやりとした感じになってしまいそうだったので、黒を入れて引き締め。花の色も最初の計画では全部ピンク色を塗る予定だったけど、白と合わせたことで立体的になったかもしれません。まあ、自己満足です。

この作品で、カレンダーにする絵が揃いました。これから印刷をお願いしようと考えています。そして、間に合えば秋のPlanethandさんの秋の市に出品します。

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