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2023-05-05

今月のカレンダーの絵から。

今月のカレンダーの絵を二ヶ月おきにご紹介します。
今月と来月の絵はこちら。安房直子さんの物語「よもぎが原の風」からイメージしました。
行方不明になった子ども達を探すお母さんたちの心持ちが伝わります。
安房直子さんの物語世界は本当に素晴らしく、読んだ後に残る余韻がなんとも言えません。少しだけ文章を引用します↓

”なぜって、それは、うさぎだったからです。
二ひきのうさぎが、緑のスカーフを首に巻いて、立っていたのですから。
二ひきのうさぎは、輪にした緑のなわの中に、まるで電車ごっこの運転手と車掌みたいに入りこんで歩いてきたところです。そして、四人の子どもたちをちらりと見ると、歌をやめにして、
「みなさん、どちらへ?」
と、たずねました。みんな、どぎまぎして、何もいえませんでしたが、美代子が、やっとかたくなって答えました。
「よもぎが原に、よもぎをとりに行くところです」
すると、うしろのうさぎが、
「そんなら、ぼくたちとおんなじだ」
と、いいました。そして、
「電車にのりませんか」
と、すすめるのです。電車のなわは、草のつるで、じょうずに編まれていました。ところどころに、れんげの花が編みこまれていました。”
(安房直子作「よもぎが原の風」:福音館文庫「山の童話・風のローラースケート」から)

…この絵を描くために、近所のよもぎを採集しました。でも、よもぎって形がたくさんあって、取る場所で全然形が違うんです。新しい発見でした。よもぎらしく描けたか心配です。色もよもぎ色がうまく出たかしら。
安房直子さん、葉っぱの裏側のもふもふで、うさぎを連想するなんて常人では思いつかないな。

子どもを持つ母親にとって、子どもが帰ってこない心配は本当にただ事ではないです。子どもたちは無事帰って来れたでしょうか。ぜひ読んでみてください。
今日はこどもの日。こども達の健康と安全を祈ります。

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